ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
「必要かと思いますが?」

当然です。という気持ちを込めて答える。


「マジ?そんなの…誰も見ないだろ?」


要らないと言ってほしいの?


「見ます。藤枝室長、まさかお忘れになったんですか?」


そんなことしませんよね?と、嫌味を込める。


「………」


忘れたのか…


「どこに置いてきたんでしょうか?」


「………家。運転手さん、戻ってもらえる?」



キキーーッ



「藤枝室長、もっと急いでください!」

ポヨーーンと、効果音が聞こえてきそうな、のんびりしたテンポで自宅マンションの部屋へ消えた。


外で、タクシーを待たせ、藤枝さんを待つ。






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