ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
「おいっ!あんたバカか⁉︎
いきなり車道へ飛び出すって…なに考えてんだ!」

藤枝さんが、物凄い剣幕で怒鳴る。

あっ…私……

拓海たちの方へ、行こうと思ったんだ。


私を抱きかかえている藤枝さんの腕に、そっとてをやり、スクッと立ち上がる。


「藤枝さん、ごめんなさい。用事が出来ました」


失礼します…と、目を伏せ、反対側の歩道ではしゃぐグループへ視線をやる。


…拓海


今度は、慎重に車の往来を確認し、車道を横切る。

普段の私なら、こんなこと絶対にしない。


でも、ここで、ハッキリさせなくてはと思った。
















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