ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
「鹿…やべーー」

鹿を見る藤枝さんは、本当に嬉しそうだ。

「藤枝さん!鹿せんべい買いましょうよ」


「お、よしよし。買ってこよう」

顔をくしゃくしゃにして、すごく嬉しそう。


テントで、おばちゃんから鹿せんべいを受け取り、

「はい…鹿のだからね?」

ニヤリと笑って、私に鹿せんべいを渡す。


私たちが鹿せんべいを持ってることが分かるのだろう。

大きな鹿が、小走りで寄ってくる。


「きゃあぁ、藤枝さん、鹿!鹿です」

鹿せんべいを鹿たちに与えながら、鹿の背中を撫でる藤枝さん。

「肉厚だな。おまえ…」




手持ちの鹿せんべいがなくなると、鹿たちは私たちから離れ、鹿せんべいを持ってる別の人たちに近寄っていく。

「なんだ。おまえら…ゲンキンだな」



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