ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】

立ち上がれない

奈良から新大阪へ戻り、ザ・Rホテルに預けてあった荷物を受け取る。


藤枝さんと過ごすのが楽しくて、忘れかけていた。

明日は、拓海が帰ってくる。


どうしよう…

私がすべき事は何だろう。


新大阪から新幹線に乗る。窓の外の景色を眺めながら頭の中を整理する。


この二年間、拓海と私は恋人同士だと思っていたけど、違った。私の都合のいい勘違いで、拓海にとって私はただの同居人だった。


「………」


目を閉じる。

昨晩の拓海は、酔っていた。強がってただけなのかもしれない。


拓海に聞いてみよう。

考えるのは、それからだ。


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