ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
突然、ガシッと強い力で腕をつかまれた。
この匂い…
「た、拓海!」
私の腕をつかんでるのは、あの晩以来、音信不通になっていた拓海だった。
思いっきりつかまれた腕が痛い。
「拓海…痛い。離して…」
ギロッと、私を冷たい目で睨んだ。
「万里さん…部屋に入れないんだけど?」
ああ、部屋に入ろうとしたんだ。
あれから、鍵を取り替えたから、渡してある合鍵では、入れない。
「何…しに来たの……荷物は全部詰めたはず…」
ギュッと、更に力を込められ、痛みに顔が歪む。
「万里さんと、この前の続き…しに来た」
ニコリともせずに告げる。
「えっ?何言ってるの?私は拓海の恋人でも何でもないじゃない…」