ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
「そんなの、別にどうだっていい。鍵…出せよ」


「嫌っ!帰って、もう…来ないで!」

つかまれた腕を振りほどこうと、暴れるけれど、力ではやっぱり敵わない。


どうして、こんなこと…

涙が溢れる。







ふいに、拘束されてた腕が緩んで、別の香りに包まれた。


「彼女、嫌がってるよ」


「藤枝さん!」


チッ…

盛大な舌打ちをした拓海が、

「あんたが、万里さんの新しい男か…痛えよ。
後ろから急に、卑怯じゃん」

脚をさする拓海が、藤枝さんに抗議する。どうやら、脚を蹴られたらしい。

「おまえだって、彼女を背後から襲っただろう。
同じことをしたまでだ」

ポンと使えなくなった合鍵を投げて寄越す。

「それ、返す」

そう言って、拓海は帰って行った。






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