ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
・・・・・

カチャ…


あ…ぼんやりと昔のことを思い出していた私は我に返った。


パサッ…


一つ隣の席に誰か座ったようだ。


「………」


ん?この香り…

まさか?

(見るな…見るな…)

隣に座った人を…たぶん知ってる。

今の私は地味女ではない。バレる確率は低いはずだ。


(よし!隣の人が席を立つまで、動かないでおこう)


手元の単行本に視線を落とす。


パラ…パラ…


"あなたが誰で、何のために生きるのか"

主人公が問いかける。


「……」


"何のために生きるのか"


「何のために生きるのか…」


本に没頭してた私は、思わずつぶやく。


「その謎を解くために、生き続ける…
かな」


「……っ?」


突然、隣の人…矢神さんが独り言のようにつぶやいた。















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