ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
今から遡ること一時間前。

秘書課へ出勤して早々、出かけるからと鈴村さんに連行された。

私のスーツを買うから…と。


「ちょっと待って下さい。スーツなら持ってます。このとおり」

そう言う私を、鈴村さんはチラッと見て

「それは作業着でしょう。役員の…しかも梶浦社長の秘書なんだから、ちゃんとしたスーツを着て下さい」

そんな…私のスーツは高級品ではないけどそこそこのブランドショップの物だ。なのに…

「……」

鈴村さんを睨みつける。

「却下!」

「私、何も言ってませんが?」

ニヤリ

「あなたは、思ってることが顔に出るんですよ。気を付けて下さい。梶浦社長の秘書なんだから」

「……」

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