ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】

嵐の夜

カラカラカラ…

今日も、亜季さんと掃除用具のカートを押す。

秘書課勤務になったんだから、この仕事はしなくても良いのだけど、チャラ男バージョンじゃない藤枝さんに会うことが楽しみになっていた。

脚立の件があってからも、残業中の藤枝さんを何度か見かけた。

働き者だな。

日中はチャラ男バージョン全開で、のほほんとした感じだけど、残業中の彼は真剣な表情で、ものすごい勢いで仕事を片付けていく。

「もしかして、夜型人間なのか?」

思わず漏れた言葉。

「愛ちゃん?どうした?」

あ…亜季さんいたんだった。

「ううん。何でもない」

「そっか…さすがに、みんな今日は早帰りだね」

外では台風の影響で、強風が吹き荒れる

「うん」

「私たちも、電車が止まらないうちに帰ろうね」

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