ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
仕方ない。

眼鏡は諦めよう。

というか、私って会社に泊まるの?

「……」

頭の中でグルグル考えて、無言になった私を藤枝さんが心配そうに見つめる。


「大丈夫だ。アイとずっと一緒にいる。
…取りあえず、ここは寒いから休憩室へ移動しよう」

よいしょ…と、私を立たせる。

手は繋いだままだ。

大きな温かい手。なんだか、とても安心できる。

だんだん落ち着いてきて、自分の状況を思うと途端に照れてきた。

休憩室に着くと、藤枝さんは、壁からズボっと非常灯を抜いた。

「コレ、キャンドル代わりだから」

とテーブルの上に置いてくれる。


ふわり…


まただ…どこか懐かしい匂い。


藤枝さん…あなたは何者ですか?






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