好きとか絶対ありえへんっ
その瞬間、心がほっとして、私の頬に一筋の涙が伝った。



「お前が怖い時とか、嫌な思いしてる時は、俺が一番に来て助けたる。



だから、そろそろほんまに俺にすれば?」



「んっ……」


そう言って拓人はあたしにそっと口づけした。



その瞬間、遠くで


「あけましておめでとう!」



「happynewyear!!」


って声が聞こえてきて、一年がおわったんやって気づいた


そして唇は一瞬で離れた



けど、あたしにとってはめっちゃ長いものに感じた。




拓人の顔が月明かりに照らされて、いつも以上にかっこよく見える。




「勝手にキスしてごめん。


去年は友達としてしかお前に見てもらわれへんかったけど、今年は男としてみてもらえるように頑張る


お前の気持ちはあいつにまだ向いてると思うけど、俺は全力で奪いに行く」




あいつとは、多分春馬のこと。


いや絶対春馬やと思う…



「…」



あたしは何も言うことができひんかった



ただただドキドキが止まらんくて。

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