好きとか絶対ありえへんっ
「「…」」

日誌を書いている俺たちは無言



けど、歩夢が口を開いた


「お父さんがおらんくなるって辛いよな…っ」



「…」


ただの同情やったら、そーやな。って答えて済んだと思う



けど、歩夢のお父さんも、もう亡くなってる



だから俺の気持ちが歩夢には痛いほど理解できるんやと思う



「俺さ、誰かが俺の前から消えていくことが怖い…」



俺の本音がポロリと漏れた



その瞬間歩夢に抱きしめられた



それと同時に、ああ、やっぱり俺は歩夢が好きやなって改めて思った



そして歩夢は



「あたしは拓人の前からおらんくならへん。



あたしは拓人のこと支えるから」



そう言った。



< 188 / 238 >

この作品をシェア

pagetop