好きとか絶対ありえへんっ
あの日から、あたしと拓人は前より、話す回数が減ったと思う。



あたしから話しかけることは昔からなかったけど、事故のことに気を使ってるのか、あんま話しかけてこうへん。



それがちょっと寂しかったりする。



あたしたちの口数の減りは、奈美でもすぐわかったらしく、理由を何回も聞かれて、正直に白状した。



あのとき、大声出して奈美驚いてたっけな。




幼なじみと思ってた人から、キスされるとか、驚くしかないと思う




「…いよいよ1年のリレーやで!」


気づかないうちに居眠りをしてしまってたあたしを奈美が起こした



「んー。がんばろうね」


「もちろん」


この高校のグラウンドは1周200メートルやから、第1走者の荒川くんと一緒の位置で待っとくことになってる。



ちなみに第2走者が奈美





「位置について、よーいどん」



体育委員長がリレーをスタートさせて、荒川くんは全速力で走り出す。


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