オフィス・ラブ #another code
気がついた時には、エンジンを切って車を降りていた。

以前一度行ったことのある、4階の部屋を目指す。

彼女が使ったらしいエレベーターを待つ気にはなれず、階段を駆け上がった。


話さなくては。

何を?


わからないけれど。

きっと自分は彼女に、言わなくてはならない、続きがある。


目に飛びこんできたのは、男に抱きかかえられている大塚の姿で。

例の奴だという発想が浮かぶ前にもう、走り寄る勢いそのままに殴っていた。



やけに両手が身軽で。

鞄を車に置きっぱなしにしてきたな、と。


その時気がついた。



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