オフィス・ラブ #another code
忌々しいそのうしろ姿を見ながら、いつから自分たちは、こんなふうに道が分かれたんだろうと考えた。
きっと、あの時だ。
松岡の退職が部内に告げられた、あの時。
その報告のあった部内ミーティングから戻った堤は、新庄の隣の席につきながら、くすりと笑ったのだった。
笑ったのだ。
笑った。
信じられない思いで、新庄が愕然とその横顔を眺めていると、その視線に気づいたのか堤がこちらに顔を向け。
なに?
片目をすがめながら、楽しそうにそう問うてきた。
反動で回転した椅子の背がデスクに激しくぶつかる音で、自分が立ちあがっていたことに気がついた。
「堤」
いい仲間になれるかもと思っていた時期もあった同僚を見おろす。
湧きあがる感情の激しさのあまり、かえってその声はささやくように響き、震えた。
「俺は」
お前を、許さない。
きっと、あの時だ。
松岡の退職が部内に告げられた、あの時。
その報告のあった部内ミーティングから戻った堤は、新庄の隣の席につきながら、くすりと笑ったのだった。
笑ったのだ。
笑った。
信じられない思いで、新庄が愕然とその横顔を眺めていると、その視線に気づいたのか堤がこちらに顔を向け。
なに?
片目をすがめながら、楽しそうにそう問うてきた。
反動で回転した椅子の背がデスクに激しくぶつかる音で、自分が立ちあがっていたことに気がついた。
「堤」
いい仲間になれるかもと思っていた時期もあった同僚を見おろす。
湧きあがる感情の激しさのあまり、かえってその声はささやくように響き、震えた。
「俺は」
お前を、許さない。