オフィス・ラブ #another code
言葉が刺さる。

何も言えない。

堤の言いぶんは、もっともだ。



「久々に会ったら、なんだか大事なものまで見つけてるし」



にやりと笑って、堤が大塚に手を伸ばす。

その指が馴れ馴れしく、大塚の少し明るい色の髪を絡めとるのを見て、頭が真っ白になった。

大塚の目がなければ、きっと殴っていた。


ガラス張りの喫煙室が、堤を叩きつけた衝撃で震えるように鳴り響く。


お前の狙いは、俺だろう。

いちいち大塚に絡むな。

関係ないだろう、こいつは。



「なら、ほっとけば」



鼻で笑う堤に、思わず唇を噛む。

こいつは、わかっている。

関係ないなんて、新庄だってこれっぽっちも思っていないことを、わかっている、


どうしたらいいんだ。

どうしたら、こいつから大塚を守れるんだ。


そう歯噛みしていたら。

堤が笑った。


あの懐かしい、楽しげな。

心から愉快そうな声で。




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