きみのために -青い竜の伝説ー
31.存在の意味
目は覚めているようだ。
だが目を凝らしてみても何も見えない。
暗闇だった。
眠っているのだろうか?
手の感覚はある。足も。
手に触れるものがない。
ここは・・・
やはり夢だろうか?
ぽわっ・・
淡く青い光が目の前に浮かんだ。
もう1つ、ぽわり、と同じ光が浮かんだ。
2つの光は、すーっと横に広がったようになり、
また元の形に戻った。かすかに揺れ動いていて
輪郭ははっきりしない。ぼわっと光が強まった。
『娘は消えた』
頭の中に響いてくるような声だった。
『なぜ役目を果たさせなかった?』
周りには何も見えない。
やはりただ闇があるだけ。
2つの光だけがぼわり、と浮かんでいる。
頭の声が続ける。
『なぜ役目を果たさせなかった?』
『娘は役目を果たせなかった故に消えた・・』
『それぞれの役目を果たせなければ、存在の意味が消える・・』
役目?
「本当に『救い』がディアナの役目だったというのか?」
フランツはぐるりと見回す。ただの暗闇。
上も下もない闇。
「私がディアナにつけた口実に過ぎないものだった。
それが、いつの間にか国民の期待が募り、そばに置いておけるならそれでもいいと思っていた。しかし、同時にその救いという名のせいで彼女の身も脅かすことになっていた。
私は、私が付けたその口実の役目を外してやりたいと思った。
私が作った役目だったのだから、私が回収して
責任を取るのが何がいけない!
彼女のために私がやれることをして何がいけない!
巻き込んだのは私だ!
青い玉の首飾り、たったそれひとつで救いになったのならそれを私が引き受けよう!
そう、私はこの身にその役目を引き受けたつもりだ!」
フランツは胸元の首飾りに手をやった。
確かに首飾りの感触があった。
『本当に娘のためになるのか?』
『大事にとっておくだけでは・・・』
『役目を果たせなければ、存在の意味が消える・・』
『傷つけないよう役目まで奪うのでは、
娘の存在は消える・・』
「!愛しい者をこの胸に抱きしめて、傷つけないよう抱きしめて何がいけない!」
フランツは叫んでいるのか、夢の中なのかわからなかった。
青い光はすー…っと横に細くなった。
まるで目を細めるしぐさのようだった。
『共に歩みたければ、存在に意味を・・』
『娘に役目を・・ さもなくば・・』
青い光はぼう・・・っと大きくなったかと思うと一気にその光を強めた。
眩しさに見ていられなくなったフランツは目を閉じた。
それらの言葉が繰り返し、繰り返し、
フランツの頭の中を巡っていた。
だが目を凝らしてみても何も見えない。
暗闇だった。
眠っているのだろうか?
手の感覚はある。足も。
手に触れるものがない。
ここは・・・
やはり夢だろうか?
ぽわっ・・
淡く青い光が目の前に浮かんだ。
もう1つ、ぽわり、と同じ光が浮かんだ。
2つの光は、すーっと横に広がったようになり、
また元の形に戻った。かすかに揺れ動いていて
輪郭ははっきりしない。ぼわっと光が強まった。
『娘は消えた』
頭の中に響いてくるような声だった。
『なぜ役目を果たさせなかった?』
周りには何も見えない。
やはりただ闇があるだけ。
2つの光だけがぼわり、と浮かんでいる。
頭の声が続ける。
『なぜ役目を果たさせなかった?』
『娘は役目を果たせなかった故に消えた・・』
『それぞれの役目を果たせなければ、存在の意味が消える・・』
役目?
「本当に『救い』がディアナの役目だったというのか?」
フランツはぐるりと見回す。ただの暗闇。
上も下もない闇。
「私がディアナにつけた口実に過ぎないものだった。
それが、いつの間にか国民の期待が募り、そばに置いておけるならそれでもいいと思っていた。しかし、同時にその救いという名のせいで彼女の身も脅かすことになっていた。
私は、私が付けたその口実の役目を外してやりたいと思った。
私が作った役目だったのだから、私が回収して
責任を取るのが何がいけない!
彼女のために私がやれることをして何がいけない!
巻き込んだのは私だ!
青い玉の首飾り、たったそれひとつで救いになったのならそれを私が引き受けよう!
そう、私はこの身にその役目を引き受けたつもりだ!」
フランツは胸元の首飾りに手をやった。
確かに首飾りの感触があった。
『本当に娘のためになるのか?』
『大事にとっておくだけでは・・・』
『役目を果たせなければ、存在の意味が消える・・』
『傷つけないよう役目まで奪うのでは、
娘の存在は消える・・』
「!愛しい者をこの胸に抱きしめて、傷つけないよう抱きしめて何がいけない!」
フランツは叫んでいるのか、夢の中なのかわからなかった。
青い光はすー…っと横に細くなった。
まるで目を細めるしぐさのようだった。
『共に歩みたければ、存在に意味を・・』
『娘に役目を・・ さもなくば・・』
青い光はぼう・・・っと大きくなったかと思うと一気にその光を強めた。
眩しさに見ていられなくなったフランツは目を閉じた。
それらの言葉が繰り返し、繰り返し、
フランツの頭の中を巡っていた。