同居ノススメ
「桃、後ろに乗ろうとしてた?」
「うん」
「なんで?」
「えっ・・だって助手席ってさ・・
恋人が乗るところなんじゃないの?
指定席、っていうかさー」
と
戸惑いながら答える桃は
慎太郎の顔を覗き込み
真面目な顔をして聞いてきた。
「えっ?えっ!!
そうとは決まってないでしょ?
普通に友達とかも乗るでしょ?」
と不安から一転、
安堵した様子の慎太郎。
「あっ・・そうなの?
わたし、クルマも持ってないし
その・・・男性のとなりに
乗ったことないんだ・・よね?」
「あははは!
『よね?』って疑問形で言われても
俺、知らないし、
それに俺のクルマの助手席は、
これからずっと桃の特等席にするから、
遠慮なく乗るの!わかった?」
と慎太郎が言い切ったので桃も
「はっはい!!」
と勢い良く返事をした。
『桃・・俺はてっきり助手席に乗るの
拒否したのかと思ったよ。
桃の初めてか・・なんかいいな・・・』