同居ノススメ
それぞれの夜


次の日、2人は
餃子入りの中華風弁当を持って
それぞれ出勤した。



慎太郎が早退した日を境に
醸し出している雰囲気は
職場でもガラリと変わり

ある日突然
毎日お弁当を持参してくるように
なったことが
どうしても気になった高木は
勇気を振り絞って聞いてみた。


「あの・・・店長?」

「なんだ?」

桃と作った餃子を
口に運びながら
慎太郎は耳を傾けた。

『んーー
やっぱり冷めても美味しい!
弁当を開けて、一口目の瞬間
って、
なんとも幸せなんだよなー』と

一瞬、
昨日の桃との共同作業までもが
思い出され、頬が緩みそうになり
慌ててキュッと力を入れて
ポーカーフェイスを保つ。

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