同居ノススメ

煌々とつけられた部屋中の
明かりに桃はビックリして

「慎太郎さん?
なんでこんなに部屋中が、
きらびやかなんでしょうか?」

と聞いてみた。

すると

「だってさー
桃いなかったから暗くて寂しくて・・」

と、先ほど
タイミング悪く鳴ったお腹に
手を当てて少しふてくされた。

「あははっ!だからってー

トイレやお風呂の電気まで
つけなくてもー」

とケラケラ笑う桃に

慎太郎も『確かにそうだ』と
恥ずかしくなり笑った。

「でもこんだけ明かりつけても
桃がいなかったら、暗かったよ」

と言って必要な明かりだけ残し
パチンパチンと消しながら
慎太郎は言った。


桃はその言葉に
ほっこり心が温かくなり
優しい気持ちになり
微笑みながら

「ありがとう、慎太郎」

とお礼を言った。

『さっき抱き締められて、
全然、嫌じゃなかった。

寧ろ素直に嬉しかった、わたし。

わたしの真っ暗だった心に
灯をともしてくれたのは、
あなたよ、慎太郎。

いつか、
伝えられる日がくるかな
この気持ち』

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