同居ノススメ
桃は一通り話すと
慎太郎の方に顔を向け
「あの人とは
こんな感じだったけど、
結構、
ヘビーな話だったよね?」
と、不安を隠し
少し笑って見せた。
慎太郎は、いままで
見たことがないくらい
無表情のまま黙って
話を聞いていて
桃が
熱でうなされてたあの日、
寝言でりょうの名前を
呼んでいたことを伝えた。
すると桃は
「あぁ。慎太郎がウチに
引っ越してきたのってね、
別れて2週間くらいだったの。
まだ未練があったのかな?
でも、いまのわたしが
こうして幸せで、
笑っていられるのは、
慎太郎のおかげ。
慎太郎に救われたんだ。
また男性を
信じられるようになったんだよ?
これって、
すごいことだよね?」
と言うと慎太郎は
少し口許を緩ませて、
「そうだったんだな・・」
といい、
桃はまた向き直って、
慎太郎に背中を預けた。