同居ノススメ
慎太郎は思わず
口の中に入っていたものが
喉に詰まる感覚を覚え
慌ててお茶を飲み、
流し込んだ。
「なっ・・
なんだ?そのお弁当女子って」
と高木に聞くと
「俺達の間では、
冷徹仮面の店長を
あまーい雰囲気に変えちゃって
毎日、健気に店長に
お弁当をもたせてくれている女性
のことを陰で、お弁当女子
って呼んでたんですよ?
知らなかったんですか?」
と言った。
長谷川も知っていたようで
「そうですよ、
知らなかったんですか?
でも、まあ、良かったですね。
これでわたしたちも・・」
と言いかけ
高木が口を挟んできた。
「店長がぼやっとしてる間に、
俺、陽ちゃんと
付き合うことになりましたからー」
と長谷川と手を繋いで見せた。
慎太郎はビックリし
「いっ・・いつから?」
「店長が新人をバッサリ切り倒した
あの飲み会からですよ」
と長谷川が淡々と答える。