同居ノススメ
その用紙をみて桃は
「あの時のプロポーズ、
夢じゃなかった・・・んだね」
と嬉しそうに言う。
「でも、なんで・・・
あのタイミングだったの?」
と桃が、ずっと不思議に
思ってたことを聞くと
「俺ね、桃が入院した日、
大切な人が、
怪我したことも知らずに
指輪の下調べに行ってたんだ。
その時からいずれ
プロポーズしようと思ってて、
桃が、気に入るものを
ゆっくり一緒に選びたかったんだ。
『結婚』って形に囚われなくても
桃がずっと傍に居てくれるなら
どんな形でも良いとも思ってた。
でもね、
あのとき思い知らされたんだ。
相手に何かあったとき、
一番に連絡を貰えるのって
『家族』なんだって・・・知ってた?
俺、
あのときまで、そういうこと
全然気ついてなかったんだ。
あの日の夜、
この家に1人でいて、
本当に生きた心地がしなくて
なんにも考えられなかったけど、
もし桃にもう一度会えたら、
やっぱりここは『結婚』って形に
こだわらなきゃいけないって思った。
だから一番に伝えたんだ」
と言うと
桃をお姫さま抱っこし
ソファーに下ろすと
桃は顔を
くしゃくしゃにしながら泣き、
「一番大切なあなたと
幸せになりたい」
と桃から慎太郎に口づけをした。