同居ノススメ
慎太郎は
桃を腕の中に抱えたまま
リビングに移動し、
カーペットの上に腰を下ろし、
座ったまま後ろから、
桃を抱きしめた。
なぜかその温かさと安心感に
甘えてみたくなった桃。
ようやく泣き止み、
今まで心に溜め込んでいたものが
すーっと消えていくような感覚に
陥った。
「ごめんなさい・・・
自分がこんなに泣くとは
思わなくて・・」と桃。
背中は慎太郎の大きな胸に
収まっている。
「俺が焦って、桃の中に
踏み込みすぎた・・ごめんな。桃」
と大きな手で、頭をなでてくれる。
桃は、
自分の体が大きいこともあり
安心して、誰かに包みこまれるという
初めての感覚に戸惑いつつ
「ううん・・落ち着いたら
ちゃんと・・・うっ・・
話せるようになると思うから・・
ごめんなさい・・」と桃。