同居ノススメ
自宅からまとめてきた荷物を
桃の部屋に運ぶべく、
マンションのオートロックを
解除し、静かに部屋に入る。
リビングから
少し漏れている明かりを見つけ
「桃?起きてるの?」
と静かに慎太郎が
声をかけると
カーペットの上で
毛布にくるまり
小さく丸まって眠る桃の姿が
目に入ってきた。
『ったく・・具合わるいのに
こんなとこで・・』
と
桃を抱きかかえてベッドにおろすと
「りょう・・ちゃん・・」と
桃が呟いた。
「ん?桃?」と答えるも
規則正しい寝息が聞こえてきた。
「寝言か・・
桃、そんな切なそうな声出して・・・
悔しいな・・・。
いつか俺がそいつを忘れさせてやるよ」
と
慎太郎は呟き
せっせと荷物を運ぶことにした。