同居ノススメ
「なんかいいね、こういうの。
同じ歌を聞いても同じように
感じてくれる人って、
なかなかいないと思うんだよね。
だから、嬉しかった。
自分が好きな歌を
同じように思って
感じてくれる人がいて」と
桃はパスタを茹でながら、
慎太郎に言った。
慎太郎も
同じことを思っていた。
同じものを見て
同じものを聞いても
同じように感じ取ってくれる人
って、そうそういない。
コレが世間で言う
『価値観が同じ』
ということなのか?
と思っていた。
テーブルには
昨日、俺が作った副菜たちと
カルボナーラが並べられた。
桃が作ってくれたカルボナーラは
温泉卵までついていて、
塩加減もちょうどよく、美味しかった。
きっと
味覚も同じなんだな・・・。
と感じていた。