同居ノススメ

「お迎え遅れて
ごめんなさいー!!」

と慌てて入ってきたお母さん。

女の子を抱っこする桃の姿を
見つけると、

「桃先生、
もうお身体は大丈夫ですか?

もしかしていままで一緒に
いてくださったんですか?」

と少し驚いた様子で
小さな声で話しかけてきた。

「ちょっと様子を見に来たら
眠かったみたいで。」

と眠ってる女の子を
お母さんに引き渡すと

「あら、珍しい・・・って
もしかしてこの子、泣いてました?」

「うん、少しね。
でも大丈夫、

お母さんが迎えに来てくれるの
ちゃんと分かってたから」

というとその子のお母さんは
少し目を潤ませて

「先生・・・わたし、
この保育園に出会えて良かったです。

最初、こんなに小さいのに
保育園に通わせるの、可哀想かな
って思ってたんです。

わたしの勝手で・・・
仕事復帰するの早まったかな
って、いつも悩んでました。

でも桃先生がいてくれて、
この保育園があって、
ほんとに良かった・・・」

と言葉を詰まらせながら
ポツリポツリと話し始めた。

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