T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
しかし、18時になっても家のチャイムが鳴らない…どうしたのかな…しかしまだ18時になったばかりだ。そう美羽は言い聞かせた。

5分…

10分……

しかしチャイムは鳴らない。もしかしたらと美羽は家中を探した。ほかの部屋に来ているかも知れない。
そう考える美羽の心は見るも無惨なまでに裏切られる形になった。どこにも和希の姿はなかったのだ。

「和希…どうして?」

どうにもならない不安と嫌な感覚ばかりが心を支配していく。

1時間が過ぎた。……

美羽の心はもう押し潰されそうな位にまで悲鳴をあげる寸前にまで心細く、また、世界の全てに色が見えない感覚になっていた。
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