T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
そんな美羽を息を整えながら抱きしめるので精一杯だった和希。

「美羽?中入ろう?」
「…ッ……ン…」
「ほら。」

そういうもなかなか離れない美羽をふわりと抱き上げた和希。美羽の体は宙を舞って和希に抱き抱えられたまま家の中に入った。

「美羽…?」
「すごく待ったんだよ!何で…私だけ楽しみにしてるみたいで…」
「そんな事ないよ。あるわけないじゃん?」

そう言うとふっと体を離し美羽の頬を両手で包み込んだ和希は優しく笑いかけていた。

「美羽のこと忘れる訳ないでしょ。」
「だったらどうして…何で…?」
「…これ仕上げるのに時間かかっちゃって…」
< 114 / 241 >

この作品をシェア

pagetop