T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
10時を回ろうかという時、美羽は和希を誘いだした。

「お店ね?10時からでね!おうちからもそんなに離れてないの。いつもは自転車で行くんだけどね!」
「そっか。」

嬉しそうにはしゃぎながら行く美羽の後を追いながらほほえみながら着いていった。そっと手を繋いで指を絡めてゆったりと2人の歩幅を合わせて歩いた。

「ねぇ和希…」
「うん?何?」
「……何でもない」
「なんだよ…ん?」
「…ヘヘ」

俯きがちに美羽は腕にすり寄るようにキュッと握りしめた。

「美羽?なぁに、どうしたの。」
「嬉しいなって…またこうして一緒に並んで歩けて…普通の事なのにね」
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