T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
そう声をかけられた方を見ると和希の両親がいた。母親は泣きはらしたのか目を赤くし、父親は何とも言えない様な、しかし美羽の気持ちを落ち着かせるように口元も少しあげてほほえんだ。

「おじさん、おばさん…和希…和希君が死んだって嘘よね…」
「美羽ちゃん…」
「あの警察の人の言うのは全部嘘だと言って…お願い…」
「美羽ちゃん、和希に逢ってくれるかな。」

そういうと警察官に少しだけ待つように頼むと看護士に声をかけて和希の眠るベッドに向かった。

「ほら…和希…美羽ちゃんがきてくれた」
「……か…ずき…?」

ベッドに近寄ることが出来ないまま立ち尽くした美羽。
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