T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
「美羽ちゃん、少し2人で居てあげてくれるか?和希と一緒に…」

そういうと和希の両親は病室を後にした。凄く長い時間をかけているかのように足が重たく、自分の体では無い位の空気感の中、美羽はベッドに近付いた。

「和希…?ねぇ和希…私だよ?ねぇ何とか言ってよ…」

しかし病室には美羽の声しか響かない。ベッドの縁に縋りよる様に美羽は近付いた。そっと頬をなぞると少し冷えた頬にドキリとした。

「和希ぃ…皆はだませても私は無理だよ…?"やっぱり?"って言って目開けてよ…今ならまだ許してあげるから…」

しかし自信の意志とは相反して美羽の目から涙があふれ出した。
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