T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
そうして帰ろうかと言う時だ。美羽の心がいきなりざわりと騒いだ。乙夏と一緒なのにも関わらずピエドラは美羽に声を荒げながら呼び止めた。

『お嬢!気をつけろ!』
「アル?」
「うーちゃん?どうしたの?」
「ううん…」

そんな時だ。信号無視をした車が暴走したのか、乙夏めがけてきた。その乙夏を突き飛ばすように美羽は出てしまった。


ドンッッ!!


鈍い音と共に美羽は車にひかれた。

そうして周りは一瞬音を無くした。

血もあまり見えず、横たわる美羽の脇に倒れ込んだ乙夏はゆっくりと起きあがった。その直後に乙夏の叫び声と周りの大人達の声が響き合った。
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