T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
「それは何時頃?」
「夕飯の時…だから3時間前くらい…18時回っての夕飯だったから…」
「ありがとうございます。」

そう短い会話をすませると波賀は病室を後にした。そのまま美羽は和希に笑いかけた。

「可笑しいね…何があったかなんて…」

そう言うと和希の唇をそっとなぞった。美羽の声とうるさい位の鼓動、無音の様な何とも言えない暗い闇の中に突き落とされたように静かだった。

「もぉ名前…呼んでくれないの?…好きだって…言ってくれないの?……和希…」

そう話しかけていると両親がきた。

「美羽ちゃん…そろそろ……」
「…あ…はい……」

そういい漸くの思いで立ち上がった。
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