T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
「誰が…誰を…どんな状況で選ぶかはその人による。こうしたらいいという理想や現実よりも、心が先走ることだってしかりだよ。何もおかしくない。」
「ヌエバ様に…!あなたに何が解るんですか。」
「少なくとも私は解るよ。」

優しく笑いかけたヌエバ。そっと立ち上がり窓辺に移動し、窓に凭れながら月明かりを背に話し出した。

「君の主、ダーマ・カロン。」
「ジェーナ…?」
「そう。カロンは俺が生涯で唯一愛した女性なんだよ。」
「え……でもジェーナは!俺と同じ…でもヌエバ様は…」
「そうだよ。彼女は満月だし、私は新月を司る者。それは許されない禁断の事例なんだ。知っているね?」
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