T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
それから一旦帰り、明日また和希の家に向かう事にした美羽。家に帰った美羽は母親に電話を掛けた。

『もしもし?』
「お母さん…」
『うーちゃん?どうしたの?』
「……ッ」
『どうしたの?ん?和希君と喧嘩でもしたの?』
「和希が……」
『何、どうしたの?』
「和希が死んじゃった」

娘から突然の訃報に母親は優しく答えを返した。

『お母さんも明日和希君の家に行くわ?』
「…ん」

そうして切れた電話。ポカリと空いた心の穴は塞がるどころか、みるみる内に広がり落ちていく美羽は眠りにつく事も出来ずにいた。夜に何度も起きてしまう事があった。
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