T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
緊張と照れくさいようなはにかむような表情のまま歩いて美羽の元に向かった。

「…ではこれで」

そこには看護士に説明等を聞いていた美羽の両親達がいた。2人が到着するとそのまま入れ違いに和希とピエドラはその場に残った。その時和希は思い知らされたのだ。

『俺の親…来てないのな…あんなに仲良かったのに』
『それが現実だ。記憶を喰らうって。だから和希の家族、親族からも記憶はなくなる。つまり和希を交えての関係があるお嬢の事は』
『知らない存在になってるって事か…』
『そう言う事』

そう話しながら2人美羽を見つめていた。うっすらと青白い顔の中に温もりの紅が差し始めていた。
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