T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
部屋の中の写真立てには笑い合った2人が並んでいた。アルバムをパラ…パラ…とめくっては小さく笑いもした。

「和希……ッ////」

思い出が巡り巡る中、涙ぐみ、どうにもならないままベッドに顔を埋め泣き崩れた。
母も到着し、少しして式場に向かうことになった。それから先、どうやって式場に向かったのか。どうやって皆と連絡を取ったのか…解らないまま時だけが過ぎていった。通夜式が終わった夜、和希の両親に頼んで美羽はその場に泊まった。
何でもない会話をただ一方的に話をしていた美羽。

「和希…和希…」

ガラス越しに顔だけが見えるそこには、優しく笑う笑顔はなかった。
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