T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
「方法は?どうしたらいいの?」
「パワーを俺にくれたらいい。キスさえして、エネルギーを吹き込んでくれたら。」

そう言われた美羽はそっと両手をピエドラの頬に触れた。

「…今日来なかった和希が来ないことを選んだように、返還もお嬢が自分で決めたらいい。」

ゆっくりと近付く美羽の唇。しかし寸前で動きは止まった。

「お嬢…?」
「ごめんね…私……」

そう呟くと首に巻き付いた美羽。そのまま涙を堪えながらも首に巻き付いたまま続けた。

「2人がくれた命…繋ぎ止めてくれた未来…失うわけにはいかないよ…」
「お嬢…」
「生きていたい…2人のくれた未来…」
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