T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
そう呟いた後、離れることも出来ずに只巻き付いていた。

「俺はさ、そう言うと思ったんだよ。絶対お嬢はその命…手放さないって。自信があった。もちろん和希もね。だけど泣かせたくないって…別れが一番寂しくなるからって。だからさ…」
「もぉいいよ…アル…ありがと…本当にありがとう…」
「お嬢…?」
「…アル…本当にずっと…」

そう言いかけた時に頭の中であの"リンッ…"という鈴の音が鳴り響いた。しかしいつもと違うのはあまりにも激しい脱力感を伴ったという事だった。

「お嬢…今までありがとう…」
「まって…アル……」
『お嬢なら絶対大丈夫だよ。大丈夫…だか……』
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