T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
小さく頷いた美羽。その姿を見て翔汰は言葉を失った。

「えっと…本当?」
「はい……私でよければ…お願いします…」
「やった…やった!」

気が抜けたようにベンチに座った翔汰。星空を見上げた美羽はそっと心に問いかけた。

『アル…和希……ありがとう…間違ってないよね…』

そう問いかけた途端に後ろからきゅっと抱きしめた翔汰。

「ありがとう…本当に…ありがとう…」

そう耳元で呟き伝えた声はまさしく美羽が愛した和希そのものだった。しかしピエドラからの手紙を読み、どこかしら和希の命の息吹を信じてやまない美羽は、翔汰のプロポーズを受けた。あの時の心と愛情を胸に秘めて…
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