T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
「何か大事な…そうだ、大事でとても愛おしい存在を失ったばかりだねぇ…」

その言葉を聞いてお婆さんを見つめた美羽。誰にも話していない。ましてやこんな初めて会ったお婆さん。和希の式にも見なかった。もしかしたら葬儀場でどこか別の家族の方ですれ違ったのか…だとしてもそんな少しのすれ違いだけで記憶できるのか…様々な事がぐるぐると回った。しかし美羽は問わずにいられなかった。

「どうしてそれを知ってるんですか?」
「解るゎよ、お前さんの目を見たら全て聞こえる。」
「聞こえるって…」
「なぁに、不思議がる事ないわぃ。さてと…少し待ちなされ、それとも急いでいるかぃ?」
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