T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
「……お婆さん一体なんなんですか?」
「フフ…お前さん名前は?」
「美羽…倉田美羽です。」
「美羽ちゃんか。良い名前だ。」
「あの、何かあるんですか?」
「美羽ちゃん、お前さんは神様って信じるかぃ?」
「え?」

突然の予期せぬ質問に唖然とした美羽。きょとんとした顔のまま答えが出せずにいた。

「信じてたんです。でも今は神様なんて居ない…そう思うんです。」
「愛おしい存在を奪われたからかい?」
「はい…」
「じゃぁ神様を恨んでいるかぃ?」
「……」

美羽の言葉をゆっくりと待つようにお婆さんは返事を待った。俯いたまま美羽は口を開いた。

「恨んでは…ないの。」
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