T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
「この卵に命を吹き込んでごらん?」
「命って…」
「なぁに、卵にキスしてごらんなすれ」

言われるままに美羽は唇を寄せた。触れるかどうかの時だったが唇にふと蘇ったのは和希との最後のキスだった。

「ほら、解るかい?鼓動を打ち始めた…」
「ねぇ!あの…これってどうするの!?契約って…」
「落ち着きなされ。そのままゆっくりと深呼吸をして。」

いわれるまま高鳴る胸を押さえながら美羽は深呼吸を続けた。ぽぅ…と光る卵に鼓動を手のひらに感じていた。

「ほら、時がきた。」
「え?」

ピシっと殻にヒビが入り中からフッと出てきた。そこには真っ裸の男の子が居た。
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