T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
「ピエドラ、この子だよ。」
「よろ…しく。」
「…スゥ……」

大きく息を吸ったピエドラ。フッと笑うと美羽の付けている和希に貰った婚約指輪のダイヤにキスをした。すると次の瞬間ピエドラはダイヤの中に取り込まれたのだ。

「あの!…ここに入られても…」
「心で会話が出来るよ。問いかけてごらん?」

そう言われ言葉に出すことなく聞いてみた美羽。

『あの…』
『どうしたの?初めまして!』
「キャ!何?頭に…」

鼓膜の奥というのか、頭の中で声がした。聞いた事がない、でもどこか懐かしいような穏やかな気持ちになる声だった。

「どうやらうまくいったみたいだね」
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