T.A.B.O.O~満月のPerfect Crime~
そう言われ美羽の力がフッと抜けたのを感じ取るとピエドラは口を押さえていた手を外した。

「その言葉は…本当にお嬢が俺を要らなくなってから言って。」
「…ッ」

そう言われて美羽は俯いてしまった。そんな美羽を見ながらピエドラは続けた。

「さっきお嬢は誰得でもないって言ったじゃない?でも俺にとったら誰得でも関係ない。お嬢の幸せの為に…お嬢の笑顔の為に来たんだ。」
「私の笑顔なら…和希が生み出してくれるよ。」

俯いたまま答えた美羽。そのまま触れることもないままピエドラは美羽に続けた。

「俺に出来るのは満月の時に影山和希を実体化させること。それだけだ」
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