君を選んだから
だけど、三日間も須賀くんに会えなくなっちゃうのはキツい。

いや、違う。土日を入れて五日間?

半日くらいはお互い別のルートで仕事をしてるとは言え、休みの日以外は必ず隣で顔を合わせているし、何だかんだと一週間の半分以上は一緒にお昼ご飯を食べている。

ただでさえ、だいぶワケありな恋なのに、五日間も会えないなんて寂し過ぎる。


ここはオープ二ングセールに集中して、忘れちゃうくらい没頭するしかないか。

成功すれば、みんなに喜んでもらえるだろうし、期待もされてる。

気合いを入れて何とか頑張らなくちゃ。


そして、次の日、いよいよ明日はオープンという日の夜、明日に備えパックをしていると、携帯が鳴った。

しかも、メールじゃなくて電話?

誰かな? 急ぎ?

あれ? 匡史だ。どうしたんだろう。


「もしもし、匡史? どうしたの?」

「あぁ、うん。明日、よろしくって言おうと思ったんだけど。」

「頑張るよ、匡史のために。」

「頼むよぉ、マジで。」

「もしかして、興奮して眠れないとか?」

「あ、バレた? そう。何か怖くてさ。」

「どうして? 匡史なら大丈夫だよ。」

「大丈夫じゃないよ。でも、あおいがそう言ってくれるとホっとする。」

「ふふふ.......。 珍しく弱気だね。」

「俺だって、誰かに甘えたい時もあるんだよ。だから、あおいがいてくれて良かった。」

「そう? でも、もう寝ないと。明日、超早いんでしょ?」

「うん。みんなより早く行かないとダメだし。」

「じゃあ、もう寝なさい。」

「わかった。寝る。」

「明日、頑張ろうね。」

「うん。ありがとう。」

「お休み。」

「お休み。」

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