君を選んだから
「初めまして。エターナルピンクの霧谷です。七星さんがアドバイザー付けるってお聞きして、楽しみにしてました。どうぞよろしく。」

「あ、はい。七星堂販売の葉山です。普段は普通のルートセールスなんで、何にもできませんが、よろしくお願いします。」


なるほど。エターナルのお兄さんか。

主婦層がメインターゲットのうちより、もうちょっとキャピキャピした層を狙ったメーカーだけに、BAだけじゃなく営業のお兄さんまでああいう感じなんだ。

こういうのも、一つ一つが勉強になる気がする。

自分で売り場に立つって、やっぱり有効なマーケティングなんだな。


でも.......ってことは、化粧品専門社お得意のサンプル付きタイムセールは、あのお兄さんがやるのかな?

それじゃあ、みんなあっちに持って行かれちゃう。

マズいな。よっぽど頑張らないと!!


そうこうしているうちに、開店を知らせる音楽が鳴り響いた。

匡史がフロアの責任者としてお客様を迎えるべく、エスカレーターの前で待機しているのが見える。

その前をお客様が一気にドドっと上って来て、あっと言う間にフロア中に人が埋め尽くされている。


今日の目玉の一つは我が七星ラボの箱入り粉末洗剤178円、お一人様一点限り。

化粧品カウンターに立つと言ったら、今日はグリーンピア本部の皆さんが商品補充はすべて任せろと言って下さった。

おねがいだから、完売まで行って。

せっかくのご好意に応えられるよう、いっぱい売れてくれるといいんだけどな。

< 133 / 188 >

この作品をシェア

pagetop