君を選んだから
三日目の朝、須賀くんからメールがあった。

今日の夕方、近くの店舗に巡回に行くから、ついでに帰りに私を迎えに来てくれるそうだ。


オープ二ングセール期間中、取り引き先応援のメンバーは車で来ることを禁じられている。

もちろん、駐車場はお客様が優先だから、これは当然なんだけど。


だから、お迎えは非常に助かるし、何よりこれで須賀くんに会える。

嬉しくて、嬉しくて、たまらない。

須賀くんが迎えに来てくれるのも、グリーンピアの入っているモール全体のMR(マーケティングリサーチ)を兼ねてのことなんだろうけど、この際、それはどうでも良い。


嬉しくて、朝からテンションが上がる。

慣れないことをしている疲れもだいぶ溜まって来たけど、ラストスパートだと思うと、ますます頑張れる。


初日には在庫がぎっしり入っていた引き出しが、ほぼ空っぽになっていることも嬉しい。

これは私が頑張った成果だし。


「お疲れ様で〜す。すごいじゃないですか。在庫、すっかりなくなっちゃってるし。」

「あ、お疲れ様です。エターナルさんもタイムセール盛り上がってましたね。」

「まあまあですかね。」


エターナルのお兄さんは今日もすごくイイ匂いがする。

そして、浅黒い肌がツヤツヤしている。


普段、身の回りにいないタイプだから、この人が来るとついつい見ちゃう。

って言うか、あれ? これってお兄さんのタイムセールに吸い寄せられてるお客様と同じ心理だったりして。

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