君を選んだから
「お疲れ。三日間、ありがとう。」

「あっ、ただ.......む、向井チーフこそ、お疲れ様です。」


シーズンエンドにある入浴剤の箱を整えていたら、匡史が現れた。

ちょっとやつれた?

どう見ても疲れてる顔だ。


「本当なら、今日くらいは一緒に帰りたいところなんだけど.......。」

「仕方ないよ。頑張ってね。来週、また巡回に来る。」

「うん。」

「それに今日は、須賀くんが巡回ついでに迎えに来てくれるんだ。まあ、目的はモールのMRなんだろうけど。」

「そう、なんだ.......。」

「多分、もうすぐ来るよ。」

「じゃあ、バックヤード行って待ってるか。夕方までの売り上げレポート、そろそろ出てるだろうから見たいだろ?」

「うん、そうだね。」


そう言われてバックヤードに戻り、匡史と一緒にデスクの上に置かれていたレポートに目を通した。

日用品の売り上げは売り場全体の分しかわからないけど、制度化粧品は会社ごとにラインが違うから、これを見れば私の頑張りがはっきり確認できる。


「おっ、すげーじゃん。エターナルにもリリアンにも勝ってるし、三日間合計で予算達成率200パーくらい行ってる。」

「ホント?やった。」

「マジすげーじゃん、うぇ〜い。」

< 140 / 188 >

この作品をシェア

pagetop